姿勢と痛みの関係:なぜ脱力とS字カーブが大切なのか

姿勢と痛みの関係:なぜ脱力とS字カーブが大切なのか

57歳男性 自営業の方からの質問

パソコン作業による肩こりで整体院を受診しました。施術は一時的に効果がありましたが、数時間で元の状態に戻りました。施術前に右肩の傾きについて説明がありましたが、施術中には特に説明はなく、黙々と施術が行われました。施術の各ステップについての説明や、普段の姿勢に関するアドバイスがあれば良かったと感じました。

回答

同じ姿勢を長時間も動かなかったり、痛い状態をそのままにしていると、
脳がその状態が自然のと覚えてしまい整体をしても痛い状態に戻ろうしてしまいます。
なので、間隔を開けながら繰り返し施術を行い、脳に楽な状態を覚えさせなければなりません
状態によりますが、ひどければ数回では痛みは取り切れないでしょう。 
 また、姿勢は「脱力」が基本で、人間本来の背中はS字カーブが必要です。
座った時は、背中から腰までは丸くなるのが自然で、立つと腰が入る姿勢で反る状態になり、
首から腰にかけてS字カーブができます。
 これが皆さん出来ていないのです。
「胸を張り背筋を伸ばしなさい・立つ時は膝や手をピーンとしなさい」と子供のころから
教えられて来たたため、「常にこの姿勢にするものだ」と思い込まれて体が覚えたために、
楽な姿勢ができなくなり、常に緊張状態で筋肉を使い続ける姿勢を取っています
姿勢を維持する体幹の筋肉は使い、それ以外は「脱力」で、必要な時だけ筋肉を使えばよいのです
 また、「丸い背中は猫背なので・・・」と気にされる方がおられますが、
本来の猫背とは、背中の丸みが大きい方を言い「円背」と呼びます。
体の重心に対して、頭や肩が前のめりになるのが悪いのであり、猫背は正しい姿勢です。
S字カーブの丸みは、「重さや衝撃を分散・呼吸を促す・バランスを保つ」重要な役割があります。
 さらに、重力に逆らわない鉛直(重力下)な姿勢を保つことが大事です。
特に、パソコンをされる方は前のめりになり、肩が緊張して「いかり肩」で胸を張りやすくるために、
「常に脱力と重力下で、前のめりにならない」を意識してください。
筋肉を緊張させないためにも、「呼吸を忘れずに!」